![]() | クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD] 堤真一, 堺雅人, 遠藤憲一, 堀部圭亮, 原田眞人 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-01-01 by G-Tools |
圧倒的なテンションでラストまでグイグイと引っ張られるような作品でした。
とても見応えがある、素晴らしい作品だったと思います。
一番の見所は、やっぱり主演の堤真一を中心としたキャスト陣でしょうね。
キャスティングに全く失敗が無いと言って良い程で、主要キャスト全員が作品のテンションを加速させていくような、
とてもエネルギッシュな演技を披露してくれる。
大小様々な歯車が、完璧に噛み合って、足並みバッチリで走っているという感じ。
こんなに気持ち良くて、胸が熱くなる演技を観たのは久しぶりだったので、観終えた後に凄く満足感が残りましたね。

主演の堤真一は、作品の看板に相応しい抜群の演技だったと思います。
彼の演技力の高さは既に様々な作品で知られていますが、
今まで観たどの作品よりも良かったんじゃないでしょうか。
静と動を使い分けた、幅の広さ。
目が離せなくなるような躍動感。
本当にお見事でした。
今年のアカデミー賞は、彼が獲るんじゃないかと思いましたね。

堺雅人も良かったですね。
まず、物凄く新聞記者っぽかったです。
「動」が中心の堤真一に対して、「静」のように見せつつも、心中は熱いという役柄で、
その一瞬見せる熱さの部分が際立ってたし、バランスの良い立場で作品のスパイスとなっていました。
今までは、見た目のヴィジュアル・イメージに近い役が多かったと思いますが、
この作品を機に、色んな一面を見せてくれそうで楽しみです。
その他にも、高嶋政宏、山崎努、遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮、マギー、滝藤賢一、西田尚美 小澤征悦。
他の映画では、確実に主要キャスト級だし、脇役でも存在感をピシピシ発揮するような名優がズラリ勢ぞろい。
しかも、顔を並べているだけじゃなくて、本当に競い合っているかのような演技合戦は、迫力満点でしたね。

そんな男性陣に交じって、唯一女性として存在感を放っていた尾野真千子も良かったですね。
男性陣のテンションの高い演技に交じって、飄々としつつも全力で事件に取り組んで行く新人記者を熱演していました。
でも、撮影はさぞかし大変だっただろうなぁ・・・と。
一つの大事件を追って、意地とプライドの全てを賭けて立ち向かった新聞記者たちの一週間に及ぶ戦いの日々。
記者とは何か。
真実とは何か。
そんなことを訴えてくる作品でした。
そして、それは、素晴らしい俳優たちの、素晴らしい演技によって観る者により熱く、強く伝えられる。
映画作品としては、大変優れた作品でしたね。