![]() | ディパーテッド レオナルド・ディカプリオ マット・デイモン ジャック・ニコルソン ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-06-08 by G-Tools |
「ディパーテッド」を観たんですけど、イマイチでした・・・。
作品自体は良く出来ているなぁと思ったし、観ていて飽きなかったんですけど、
この映画がスコセッシのフィルムだと思うと、ちょっとガックリというか。
自分が過去、最も感銘を受けた、彼の鋭さみたいな部分は殆ど感じなかったんですよね。
なので話すと長くなるんですが、スコセッシの話でもと。
マーティン・スコセッシ。
今敢えて若い人たちに注目してもらいたい監督である。
なぜなら彼のフィルムには深くて熱いロック・スピリットが息吹いているからだ。
デビュー作の「ウッドストック」。78年の「ラスト・ワルツ」。
近年では2005年にボブ・ディランのドキュメント「ノー・ディレクション・ホーム」を手掛けるなど、
ロックとの直接的な関わりが深い作品郡は、スコセッシを語る上では欠かせない要素だろう。
そして、ロックが最も多感で、色彩を重ねていった70年代に、その息吹をフィルムに焼き付けた彼は数々の名作を誕生させている。
今も尚、アート・ムーヴィーの門戸を開くきっかけとして幅広い世代に支持されている歴史的名作、「タクシードライバー」をはじめ、
「ミーン・ストリート」、「ニューヨーク・ニューヨーク」と数々の傑作が70年代の作品であることが、それを裏付けている。
今でこそ巨匠と呼ばれる名監督まで上り詰めた彼だが、その作品郡には常にインディペンデントな精神が内包されていて、
ゾクゾクするような危うさに、ドッシリとした重厚感。過激なバイオレンス。
内なる狂気や、激しい心の葛藤が描かれており、それがたとえ異質であっても、「短絡的な逃げ」を美学としない徹底した表現が特徴的だ。
「タクシードライバー」のトラヴィスをはじめ、「レイジング・ブル」のジェイク・ラモッタ、「ギャング・オブ・ニューヨーク」のブッチャー、
「ケープ・フィアー」のケイディ、「キング・オブ・コメディ」のルパート・パプキン。
常人の理解を超えたスコセッシの分身たちは、変容しつつも強烈な「生」のエネルギーを作品に残す。
それは観る者に特別な感情の揺れを引き起こすのである。
その揺らぎはカウンター・カルチャーを原動力とするロックに酷似していると言えよう。
さらに俳優の演技力を引き出す手腕にも優れている。
ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、ポール・ニューマン、ジョー・ペシ、ダニエル・デイ・ルイス、レオナルド・ディカプリオ、シャロン・ストーンなど、
彼のフィルムをきっかけに大きな成功を手にした俳優たちの中には、互いの理想を磨き続けるファミリーとしてその後も熱い親交を持つ者も多い。
![]() | タクシードライバー スペシャル・エディション(2枚組) ロバート・デ・ニーロ.シビル・シェパード.ジョディ・フォスター マーティン・スコセッシ ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-09-26 by G-Tools |
この作品を前にして深い分析は必要無いだろう。
多くの映画好きがマイベストの棚に、この作品を忍ばせているのには理由がある。
それは、この作品は「ただ観て楽しむ」だけの映画ではなく、「感じる」という要素の強い映画だからだ。
そして、多くの若者たちはそれを感じることで、映画の世界の奥深くに足を踏み入れることになるのである。
賞賛もあれば、嫌悪もあると思われるが、映画を語る上で一度は鑑賞しておきたい作品だ。
![]() | ケープ・フィアー ロバート・デ・ニーロ ニック・ノルティ ジェシカ・ラング ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006-11-30 by G-Tools |
スコセッシの作品郡の中では異色とも言えるスリラーで、62年の「恐怖の岬」のリメイク作品。
オリジナル作品のインパクトを継承しつつ、現代的にアレンジした作品に仕上がっており、原作の普及に一躍買ったという意味では十分及第点が与えられる作品だろう。
ニック・ノルティ、ジュリエット・ルイスの怯えっぷりも中々だが、デ・ニーロの執拗な復讐鬼の演技は、下手なホラー映画以上の恐怖がある。
![]() | ギャング・オブ・ニューヨーク レオナルド・ディカプリオ キャメロン・ディアス ダニエル・デイ=ルイス 松竹 2003-08-08 by G-Tools |
彼にとっては入魂の意欲作だっただろう。
公開前から各方面から多大な期待が寄せられ、キャスティングも含めて話題が集まったビッグタイトルだったが、
過剰な演出や冗長気味な本編が今一歩の所で評価に繋がらず、アカデミー賞11部門にノミネートされるも、無冠に終わった。
しかしながら、ダニエル・デイ・ルイスはこの作品で映画史に残るであろう強烈なキャラクターを鬼気迫る演技でフィルムに焼き付けた。
その上質の演技を楽しむだけでも、この作品を鑑賞する価値があると言える。
![]() | レイジング・ブル 新生アルティメット・エディション ロバート・デ・ニーロ キャシー・モリアーティ ジョー・ペシ 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-04-18 by G-Tools |
やはりデ・ニーロだろう。実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの半生を演じる中で、鍛え上げられたチャンピオン時代から引退後までの
体型を27sの体重増減で演じ、同年のアカデミー主演男優賞を獲得した。
そんなデ・ニーロの迫真の演技に隠れがちだが、息を呑む程に美しくスタイリッシュなオープニングシーンや、
控え室からリングに向かうデ・ニーロをワン・カットで追うシーンは伝説的名場面として語り継がれている。
![]() | キング・オブ・コメディ ロバート・デ・ニーロ 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-05-25 by G-Tools |
80年代版「タクシー・ドライバー」的な作品でキャリアを重ねたスコセッシとデ・ニーロが「新しい試み」として生み出した一作。
スコセッシファンの中でもベストとして推す人も多く、最近のお笑い芸人の中でも多くの支持を集めているのも興味深い。
「コメディ」という要素が、狂気の沙汰としか思えない主人公の行動を緩和させてはいるのだが、やはりトラヴィス同様に異質な空気を放っている。
しかし、そんな変質さえもねじ伏せてしまうような、ルパートの強い信念と個性的なキャラクターが印象的だ。
![]() | ハスラー 2 ポール・ニューマン トム・クルーズ メアリー・エリザベス・マストラントニオ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-01-25 by G-Tools |
スコセッシのフィルムの中では比較的「わかりやすい」部類に入る作品で、映画らしい映画と言える。
ストーリーも簡潔で小気味よいテンポで進むので、スコセッシ映画に常駐するクセが無いし、
若きトム・クルーズと老いたポール・ニューマンの対比描写もメリハリがあり、色んな意味でオーソドックスな作品である。
スコセッシ的とは言えないのかも知れないが、その完成度は高く、公開時に空前のビリヤード・ブームが到来した所から、
大衆的なエンターテイメント作と言えるだろう。
1.タクシー・ドライバー・・・まぁ、コレは外せないでしょう。映画史に残る傑作だしなぁ。
2.キング・オブ・コメディ・・・僅差です。メチャメチャ面白いのに「知る人ぞ知る」映画なんで、是非機会があれば観て欲しいです。
3.ニューヨーク・ニューヨーク・・・音楽映画としても優れているので、音楽好きには是非観て欲しい一作。
4.ハスラー2・・・ビリヤードしたくなります。っていうか、リアルタイムではプールバーが大流行したとか。
5.ギャング・オブ・ニューヨーク・・・駄目映画と言われてますが、デイ・ルイスだけでも観る価値アリ!!
スコセッシ映画に順位を付けるっていうのは難しいですね。
どれも捨てがたいですが・・・。
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